自転車でめぐる東海道キーホルダー探しの旅

<エピローグ>

 京都での観光を終え、夕方新幹線に乗り込んだ。ひかりの自由席はがらがらで気兼ねなく自転車を置ける。発車のベルが鳴って東京に向かって動き出す。

 自転車で4日間かかるところを、新幹線ではたったの2時間。江戸時代には片道2週間、往復で1ヶ月間かけて歩いていたそうだから頭が下がる。

 地方大名の参勤交代義務化により街道や宿場が発達したということだが、現代でも地方経済への貢献を考えるのなら現代版参勤交代を復活させてはいかがだろうか?少なくともゆとり教育やジェンダーフリーなどという左翼イデオロギーに染まった本っ当にどうしようもない教育制度を施行するくらいなら、実際に子供たちに東海道を歩かせたほうがよっぽど人生経験豊かになると思うのだが・・・。

 かつて多くの旅人で賑わったという東海道も、参勤交代の終わり、鉄道網の発達とともに役目を終え、現在は辛うじて生き残ったごく一部の宿場町が往時の様子を伝えている。修学旅行とは別に精神と肉体の鍛錬、そして先人たちの偉大な足跡を訪ねながら日本人としての歴史を学び、誇りと自身を取り戻す。教育改革の起死回生の奇策としてやる価値があると思う。

 

 車窓を眺めながら、旅で経験したこと、感じたこと、いろいろなことが走馬灯のように脳裏をかけめぐり消えていった。

 そう言えば、昼寝大好きの私が寝る間も惜しんで走り続けていた。次第に睡魔が襲ってくる。家では土産を楽しみにしている家族が待っているだろう。

 

 最後にこの度、こうして貴重な機会を与えていただいた家族、職場の皆様、そして素晴らしき遺産を築き残してくれた先達たち、今まで私の血肉となり人生を支えてくれた命に心から感謝します。

平成24年10月8日

 

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