自転車でめぐる東海道キーホルダー探しの旅

<第2日目 平成24年9月21日(金)

6:00 起床、風呂。よし、体の痛みはない。しかし、ここの温泉は狭いし、無色透明だしで本当にがっかりずくめだ。しかも、せめて楽しみにしていた朝食バイキングの内容もかなり肩透かしをくらった。メニューが少なく、ドリンクもない。コーヒーもないなんて初めてだ。同じ系列のホテルでもこうも違うものかと、まあ勉強代だと言い聞かせる。

7:30 ホテル出発。1号に戻るのに6キロほど。ホテル選びの反省のひとつとして、あまり本線から外れてはいけないと実感。気分的なものだろうが、すぐに本線に入らないとなぜかすごく損した気分になるのだ。筋肉痛などはないが、体が重く感じるのは気のせいか。天気は曇り空でそれほど暑くないにも関わらず、汗ばかり噴出す。距離も速度も伸びない。そのうちサドルが後ろに傾いてきて、あれ?何か揺れるなと思っていたら、サドルが大きく後方に折れ曲がってしまった。シャフトのところをよく見てみると、「この線から上にサドルを上げないで下さい」旨の注意書きが!完っ全に超えてたな、こりゃ。お尻の痛み防止策として、ハンドルよりもサドルの位置を上げたら、結果的に規制線を超え、さらにサドルに直結したリアキャリアの重さもあって、限界を超えてしまったのだ。踏んだり叩いたり、てこの原理を利用したりして何とか多少サドルのシャフトも真っ直ぐになり、ぎりぎり規制線のところまでくらいは入るようになった。サドルは低くなってしまったが、安定感が出てかえってこぎやすくなった。

8:30 ここからしばらく国道1号線は、自動車専用道路となり、並行して走っている側道というか農道をひた走る。あたり一面水田で、脇の水路にはやけに蟹がうじゃうじゃいて、その他にもトカゲやらカエルやら狸やらが死んでたり生きてたりしていている。

 

10:20 早めの昼食。朝のバイキングはあまり食べなかったので、やけに腹が減るのが早い。プロテインでもごまかしきれなくなってきたので、ちょうど目に付いた讃岐うどん屋に入ることにした。天かすや生姜トッピングし放題はよくあるが、とろろ昆布やかつおぶし、味付け海苔までかけ放題なんて豪勢ではないか。食欲が満たされたところで再び出発。時折小雨もぱらついていた天気も、ようやくお日様が顔を見せてきた。

11:00 農道はすでに終わり県道を走っていたのだが、そろそろ1号線に合流しようと案内標識に従い道をそれたところ、駄目だ、まだ自動車専用区間だ!ここからまた何十分もかけて県道に引き返すのも癪だし、かといって側道らしきものは見当たらない、完全にどん詰まりである。どうしたものか思案に暮れていると、少し向こうの堤防らしきものを自転車が1台走っていった。方向的には1号線と同じだからいけるかもしれない。階段もないので、長い法面を押して堤防に上ってみると、川ではなく、海の堤防であることが分かった。とにかく、行けるところまで行ってみよう。

これが結構な距離を稼げて、堤防の道が途切れるころには、1号線の下に沿う側道に出ることができた。水産加工などの小さな事務所が立ち並び、海産品から潮の匂いがぷんと漂っている。

11:30 ローカル色濃い側道から1号線に復帰し、由比本陣公園に到着。

清水区には入っているものの、まだまだ静岡駅には程遠い。由比を抜けると1号線に並行する太平洋自転車道なる自転車専用道路が登場。これは道幅も広く路面もよく舗装されており、実に走りやすい。この道がどこまで続くか分からないが、朝の遅れを少しでも取り戻したい。

ロードバイクはスピードを上げてどんどん後方から追い抜いていく。その中に「世界一周中、食べ物・飲み物大歓迎」と書かれたダンボールを掲げた自転車がこれまた猛スピードで通り過ぎていった。後ろ姿ではどうやら外国人で、荷物の量からも本当に世界一周中のうようだ。スケールがでかいし、羨ましい話ではある。

 

 

13:45 ようやく東静岡を通過。気温がだいぶ上がって水分の消耗が激しい。本日すでに3本目の炭酸ペットボトル飲料を一気飲み。ホテルから補給した水筒とペットボトルのスポーツ飲料はとっくに底を尽きた。いくらか気をつけて全てカロリーゼロの特保製品のみ。は〜、お尻痛い。

14:20 とうとう本日第一目標の静岡駅に到着。走行時間5時間超で76キロだから、やはりペースとしては大分遅い。ここから宿泊目標の浜松までまだ75キロ近く、と、遠い。駿府城を見学するも、売店さえ見つからず(正確には菓子屋くらいはある)。今日は本当に空回りというかかみ合わない感じである。ベンチで腰を伸ばし、しばしうたた寝。

15:10 駿府城発。間に合うかどうか厳しいところではあるが、とにかく先を急ぐ。休憩を入れながらでも1時間当たり15キロ進めば、夜の8時過ぎくらいにはどうにか浜松には到着できるだろう。

16:10 丸子宿を過ぎ、岡部宿に入った辺りで旅籠建築を見つけ、休憩がてら写真撮影していると、片付け作業をしていたお姉さんが「中も見れますよ、どうぞ」と声をかけてくれたので、遠慮なく中を見させていただくことに。が、あれ?300円?金取るんだ?何だ、結局有料施設か、今さら断るのも何だからさらっと見ておくかと思い、見学を始めると、案内員までワンツーマンで張り付かれ、こりゃしばらく足止めだ。でも、まあ、結果からいうと、見てよかったなという率直な感想である。これだけの現存する旅籠屋はなかなかありませんぞ。しかも、この元旅籠『柏屋』さんは、平成6年までお婆ちゃんが一人で実際に住んでいたのを、市が買い取って修復したというもの。私も将来はこういう和風の家に住みたい!

16:30 職員のお爺ちゃんと話が弾み、もう少し話したいなと後ろ髪を引かれつつ出発。それにしても77歳だというこのお爺ちゃん、3年前に自転車で東海道を制覇したというのだから驚きである。それにしても、ああ、腹へった〜。とにかく肉が食いたい、体が動物系タンパク質を強烈に欲している。

16:55 すきやで夕食。牛丼メガ盛り卵つき!これ1食で確か1000キロカロリーオーバーのはず。そう言えば家を出発してから、肉は食べてなかったもんな〜。やっぱ肉旨い。この先まだ50キロ近く、スタミナをつけておかなければ。

17:10 すきや発。柏屋のお爺ちゃんが言っていた、この先にも一つ峠があるとか何とか。もしかして、浜松より手前か?地図で確認。確かに中山峠というものがあるが、高さは記載されていない。さすがに箱根級ということはなかろうが、夜の峠越えということにはなる。走っていると目の前にだんだんと山が迫ってくる。あれか?夕闇に包まれ全体像がつかめず、どのくらいの時間を要するのか全く分からない。ここで県道から1号線への合流失敗し時間ロス。有料区間が立ちはだかる。そして、辺りはすっかり真っ暗だ!

19:00 中山峠アタック開始。登坂が始まるも、箱根と同様に路側帯は狭い。車の通行量はそれほど多くない。夜ということもあって、箱根と比べると大分寂しい感じだ。そして、く、暗い。久しく目にしていない真の闇というやつである。自転車のライト以外全くの闇。昔の人が暗闇に物の怪を見出した気持ちが肌身にしみる。1台でも多く車が通って欲しい。そして暗闇を照らして欲しい。が、たまに来る車もあっという間に行き過ぎる。それから、唐突に現れるラブホテルでも、明かりがある分ありがたい。すぐに明かりが尽きると、たまにぽつりぽつりと民家に灯りがともっている。こんな坂道とか買い物も大変だろうなと、普段の生活ぶりがすごく気になる。ふと振り返り下界に目を向けると見事な夜景である。

街路灯に照らされた道先が消えていた。ここですでに8時手前。浜松まで残り40キロ、かなり厳しい。ここで浜松から28キロ手前の掛川で宿を取ることを決意。

20:30 中山峠からはほぼ下り坂で掛川市内に楽々到着。ただあまりの暗さにマックススピードを出すことができなかったのが残念。本日は駅前の掛川ターミナルホテルに泊まることに。こちらは、サウナつきの大浴場が売りということで、昨日は大浴場といううたい文句にがっかりさせられていただけに、ゆっくりと堪能させていただいた。

本日の走行距離:131キロ 

   平均速度:14.1キロ 

   最高速度:40キロ 

   走行時間:9時間 

   消費カロリー:1200キロカロリー 

 

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