飛騨国(ひだのくに・飛?国)は、かつて日本の地方行政区分だった国の一つで、東山道に位置する。現在の岐阜県北部に当たる。延喜式での格は下国、中国。
飛州(ひしゅう)とも呼ばれる。7世紀に成立した。古くは斐太や斐陀と書いた。続日本紀に文武天皇の大宝2年(702年)夏4月8日、飛騨国が神馬を献じた記録があり、万葉集巻16には「ぬばたまの 斐太(ひだ)の大黒(おほぐろ) 見るごとに 巨勢(こせ)の小黒(をぐろ)し 思ほゆるかも」(3844)とある。この神馬(大黒)を瑞祥とし、天下に大赦を行った。これ以降「飛?(飛騨)」と表記されるようになった。 飛?は当時辺境地帯を除けば最も過疎地域であったため税制上の特例が認められた。すなわち、庸・調を免除されるかわり大工(飛騨工)が徴発された。これは後世大工業が発達する一因ともなる。
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