戦前からアルミ精錬のため、電源開発が行われてきた(→黒部川及び各種ダムを参照)。中でも黒四ダムは国内最大級のダムとして観光地にもなっている。その時の工事用通路は後に一般に開放され、立山黒部アルペンルートと名付けられた。その後、交通アクセスが格段に改善したことで、黒部ダム一帯は年間1000万人以上が訪れる観光地に発展した。また、宇奈月温泉を始め、鐘釣温泉、欅平温泉など温泉地が点在しているため、この温泉地をつなぐ黒部峡谷鉄道が観光に一役買っている。もっとも、これらの観光地は峡谷全体から考えるとごく一部であり、現在も人を寄せ付けない断崖絶壁の世界が一面に広がる。上流の猿飛峡、S字峡のあたりは絶景で知られるが、辿り着くのが極めて困難である。
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