大谷寺(おおやじ)は、栃木県宇都宮市にある天台宗の寺院。山号は天開山。院号は千手院。本尊は千手観音で、坂東三十三箇所第19番札所。「大谷観音」の名で知られている。本尊の観音は、岩彫りの高さ4mの千手観音で、磨崖仏としては日本最古。当寺の創建年代等については不詳であり、弘仁元年810年に空海が千手観音を刻んでこの寺を開いたと伝えられるが、定かではない。古くから信仰され、江戸時代の元和年間(1615年 - 1624年)天台宗の僧伝海によって堂宇が再建された。もともとは、縄文人の横穴式住居であったところで、併設する資料館には出土したほぼ完全な形の縄文人の人骨を展示してある。20代前半の男性で、1998年の学術調査で縄文時代草創期(約1万1千年前)と判定されている。この寺の門前にある平和観音像は、大谷石の石切り場跡に世界平和を祈り、総手彫りで昭和23年から6年をかけて昭和29年に完成、1956年(昭和31年)に開眼したものである。全長は88尺8寸8分(26.93m)で末広がりを意識している。
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