田楽(田植踊)の一種である。「エブリ」という農機具を持って踊ったのが始まりとされ、現在は観光的要素が大きいが元々は儀礼性の濃い行事だったといわれる。2月17日の一斉摺りから始まり、2月20日まで行われる。古くから農作業に活躍した馬の頭をかたどったとされる大きい烏帽子を被った3または5人の太夫が舞う。大きく分けて、古くからの形で動きがゆったりとした「ながえんぶり」と、新しい形で動きの活発な「どうさいえんぶり」がある。どうさいえんぶりの烏帽子には、前髪というテープ状の房がついている。ながえんぶりの烏帽子には前髪は無く、リーダー「藤九郎(とうくろう)」のものにだけ、ボタンまたはウツギの花がついている。えんぶり組は太夫とその他の舞手(太夫の舞の合間に「松の舞」「えんこえんこ」「恵比寿舞」「大黒舞」などのめでたい舞を舞う)、太鼓・笛・手平鉦の囃子方、唄い手など総勢20〜30人から成る。少年少女の舞手(稚児)は厚化粧する場合が多い。もともとは旧小正月に行われていたが、明治維新直後「物乞いに似た行為」として当時の県より一時禁止令が発せられた。しかし1881年(明治14年)、当時の有力者(大沢多門ら)により八戸町内(当時)の長者山新羅神社にある稲荷神社の例大祭として御輿行列を仕立てて復興し、この時より2月17日からの期日になった。
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「八幡馬のうた」
三の木戸から 八戸かけて 馬のでどころ 菊どころ ホレ シャン シャン シャン シャン わたしゃ 八幡の 八幡馬 ソリャ 八幡馬
ひいた手綱は 元禄手綱 根城を越えて 川越えて ホレ シャン シャン シャン シャン 鈴が 鳴る鳴る 八幡馬 ソリャ 八幡馬 |