講道館(こうどうかん)とは、柔道家であり、教育家でもある嘉納治五郎が興した柔道の総本山。1882年(明治15年)に創設され、1909年(明治42年)に財団法人となり、柔道普及のための活動を行っている。現在の所在地は東京都文京区春日。館長は初代は嘉納治五郎、2代目は南郷次郎、3代目は嘉納履正、2008年(平成20年)現在は4代目で、嘉納治五郎の孫である嘉納行光氏で、全日本柔道連盟会長も務めている。体の弱かった嘉納治五郎は当身技・固技に優れた天神真楊流柔術を福田八之助、磯正智に学び、後に投げ技中心の起倒流柔術を飯久保恒年に学んだ。それらを独自の理論で整理、体系化を図り、「道」は根本で「術」はその応用である、という考えから,術ではない道を講ずるところとして、名称を柔術から柔道と改めた。柔術の技術伝授の制度をあらためて段級制を敷いたが、段位制は囲碁、将棋から取り入れたとされる。世界の柔道の統括団体である国際柔道連盟も、規約第1条で、「嘉納治五郎によって創設された心身の教育システムであり、かつオリンピック種目としても存在するものを柔道と認める」と規定している。
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