開山は貞観4年(862年)。開祖は天台宗を開いた最澄の弟子である慈覚大師円仁。円仁が唐に留学中、
夢で「汝、国に帰り、東方行程30余日の所に至れば霊山あり。 地蔵尊一体を刻しその地に仏道を広めよ」という御告をうけた。
円仁はすぐに帰国し、夢で告げられた霊山を探し歩いた。苦労の末、 恐山にたどり着いたといわれる。その中に地獄をあらわすものが108つあり、全て夢と符合するので、円仁は6尺3寸の地蔵尊を彫り、 本尊として安置したとされている。
地蔵信仰を背景にした死者への供養の場として知られる。下北地方では「人は死ねば(魂は)お山(恐山)さ行ぐ」と言い伝えられている。恐山大祭や恐山秋詣りには、イタコマチ(イタコがテントを張って軒を連ねている場所)に多くの人が並び、イタコの口寄せを聞く。恐山自体が火山であるため、境内には温泉が湧いている。古滝の湯(男湯)、冷抜の湯(女湯)、薬師の湯、花染め湯の4つの浴場があり、無料(参拝料は必要)である。
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恐山
心と見ゆる湖を
囲める山も
蓮華なりけり
大町桂月
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